紹介して欲しいとリクエストをいただいたので!
本好きの方も、読む習慣がない方も、何か読んでみたいと思ってもらえるといいなぁ〜
エッセイ
もうあかんわ日記
かのチャップリンは、「人生はクローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」と言った。
わたしことナミップリンは、「人生は、ひとりで抱え込めば悲劇だが、人に語って笑わせれば喜劇だ」と言いたい。
みんなも心当たりがあるだろう。悲劇は、他人ごとなら抜群におもしろい。
ユーモアがあれば、人間は絶望の底に落っこちない。
『もうあかんわ日記』
今まで読んだエッセイの中で一番ニヤニヤしちゃった。文章読んで声出して笑うってあんまりないけど、これは久しぶりにその体験ができた。
岸田奈美さんはTwitterをフォローしていたりnote記事(めっちゃ面白い)を読んだりしていたので以前から面白い人だなとは思ってたんだけど、本も買って大正解だった。
家族に関する超壮絶な37日間の日記なんだけど、それをユーモアに変えちゃってるのがすごすぎる。
私も学生の頃に家庭環境でかなり精神やられてたんだけど、その時こういうアウトプットができてたら良かったな。パンチが効いてる毎日だったから相当読んでて面白かったと思う。
おすすめのnote記事はこちら。
歩いてたら30分で6人から「ケーキ屋知りませんか?」ってたずねられた
私も似た経験があったんだけど、この記事であれがマルチ勧誘の初手だったと知った。あいつらマジで許さん
あか
暮らしの土台をしっかりと固めたうえで、片脚を家庭に置いたまま、片脚をどこまで伸ばせるか挑戦するのも楽しい。時折は、子を抱え両脚そろえて遠くまで飛んで行き、帰ってくるのも楽しい。帰る場所があるって、こういうことか。
『あか』
Zipper時代から十数年見てきている、青柳文子さんのエッセイ。
二児の母になりながらも、「母」という役職に縛られない暮らし方に刺激を受ける。
それにしても乳児と幼稚園児の2人を一人で連れてドイツ1ヶ月旅行しちゃうの本当にすごすぎる。
サラっと読めるけど、読んだ後の自分の中にはたしかに何か新しいものが残されている感覚。
意図せずドイツという国について書かれた本を同時に2冊読むことになって、すごく興味が沸いた。助け合いの精神が根付いてるそうで、ベビーカーに対する周りの気遣いもすごいとか。
世の中が落ち着いたら行きたい国、たくさんある。お金を貯めよう。
やっぱりかわいくないフィンランド
前作が面白かったので購入。
フィンランド人と結婚して移住し、ヘルシンキで二児を育てる芹澤桂さんの日常。
幸福度ランキングやジェンダー平等ランキングで上位を占めることが知られている北欧。なんとなく漠然とした憧れがある。
そんな北欧に実際住んでいる日本人のエッセイが気軽に読めるなんて、いい時代に生まれたなと。
同じ日本人として近しい価値観の人の目線で書かれる暮らしを読むことで少し擬似体験ができるのが楽しい。
フィンランドも死ぬまでに一度は行ってみたいなぁ。
着飾らずに実用性を重視する国民性っていうのもしっくり来るんだよな〜。最近わたしも長く着られるアウトドアブランドの服やリュックを選ぶことが多い(中古で)。
あと別の本で読んだけど、子供服も男の子用!女の子用!って感じじゃないらしい。ジェンダーの教育や価値観の植え付けはもうそこから違うんだね。
環境問題系
ドイツ人はなぜ、年290万でも生活が「豊か」なのか
大好きな湘南T-SITEのSDGs売り場に置いてあったので購入。
前半は “過剰なサービスを求めず、消費に重きを置かない国民性” ってドイツ人の特性について紹介してるんだけど、後半5章以降の環境問題についての部分が特に面白かった。
2016年に日本の経済産業省の「東電改革・福島第1原発問題委員会」は、廃炉・賠償など福島事故の処理にかかる費用が21.5兆円に達するという試算を発表した。
(中略)
この21.5兆円が除染や賠償など、過去の損害を償ったり修復したりする「後ろ向きの費用」であるのに対し、再生可能エネルギー拡大には、地球温暖化を深刻化させる二酸化炭素を減らし、新しい雇用を生むなど未来に向けたプラスの側面が多い。
『ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか』
倹約家であるドイツ人たちが費用の負担をしてまで再生可能エネルギー転換しようとしているかというと、経済的理由ではなく持続可能性が高い社会を作るため。
環境問題に意欲のある”緑の党”(第二政党として支持を集めている)としてもエネルギー消費のためのコストを故意に引き上げることによって、エネルギー消費を減らすことを目指している。
緑の党が重視する「地球は子孫から預かったものであり、きれいなままで将来の世代に引き継がなければならない」という意識は必ずしも一政党の抽象的な理念ではなく、多くのドイツ人が常識として抱き、暮らしの中で実践しているそう。
「地球は子孫から〜」ってやつアメリカの先住民の言葉として環境問題系の本によく使われてるんだけど、好きなんだよね。
中古品やシェアリングを暮らしに取り入れるのが当たり前で、エコ意識も非常に高い。
今日本で暮らしていて、大半の人が環境問題に対する意識が高くないと感じるから自分自身との差にしんどくなることがよくある。
周りもみんなちゃんと意識して行動に移してるのが当たり前な場所で暮らしたら気持ちよさそうだなぁ〜〜〜。
海洋プラスチック 永遠のごみの行方
すごく分かりやすくて良かった。プラスチック問題に興味がある人の1冊目にもいいと思う。蛍光ペンだらけになった。
恥ずかしながら、プラスチックの原料である石油とはなんなのかというのを初めて知るきっかけにもなった。
地中に埋もれている原油の材料は、微生物などの生き物の死がいだ。地中に埋まった生き物の死がいが、何千万年。何億年という長い月日を経て変質したものだ。それをいま、わたしたちが掘り出して使っている。
(中略)
石炭や石油をわたしたちが大量に掘り出して燃やし、本来なら地中に埋まったままであるはずの炭素を、二酸化炭素として大気中に放出してしまった。これでは、地球の炭素サイクルは間に合わない。こうして二酸化炭素は大気中に増え続けていく。これが現在の地球温暖化だ。
『海洋プラスチック 永遠のごみの行方』
これは使っちゃいかんよ…という気持ちになった。やってることが自然の情理から外れてる。プラスチックの大量生産・大量消費・大量廃棄(燃焼)も、ガソリン依存も。
あと目から鱗だったのは、ビーチクリーンにおいて集計されるごみの種類というのは”拾いやすいごみ”が多くなるということ。
拾いやすさで言えば、ペットボトルが集まる。
逆にレジ袋は紫外線で劣化したり砂に埋まるなどして、引っ張ると細かく千切れてしまうことが多いため集めにくい。
「レジ袋有料化って、海洋ゴミの割合で見ると超少ないじゃないか!」ってネット上で文句を言ってる人を結構見かけるけど、視野は広く持たねばいけないなと思った。
世界中でレジ袋が年間5兆枚消費されてるのなんて絶対におかしいことだから、使い捨てという思考から早く脱却していかないと時代についていけないね。
\ちなみにその他おすすめ本/多分プラスチック問題に興味がある方の多くがフォローしているインスタアカウント、プラなし生活さんを運営している中嶋さんの著書。分かりやすくて読みやすい。
風の谷のナウシカ(コミック全巻)
やっと読んだ。映画で描かれているのは物語の序盤のみなので、コミックではもっと深いストーリーになってる。
いや〜これは予言書に近いなと思った。
愚かな人間たちのせいで世界が瘴気に包まれてマスクが必須になるわけだけど、今の現実社会だってマスクが必須になってる。
新たなウイルスによるパンデミックは、人間が過剰なまで自然界に手を出した影響だという考え方も。※WWF 「ワンヘルス」
今世の中でよく聞く「サスティナブル」は「持続可能な」という意味。
つまり、このまま人類がサスティナブルライフに切り替えなければ地球は持続可能ではないということ。
もうすでに気候変動による豪雨・洪水・海面上昇・干ばつ・熱波などが発生し始めていて、人類が住めなくなる地域が増えていくことは今後不可避かなと思ってる。
そんな環境では今まで通り野菜作りや米作り、畜産もうまくいかなくなくなるだろうし。
というかそもそもミツバチの量が激減している時点で不安が大きいし。(参考)
土地や食糧などをめぐる戦争も起こるだろうなと予想できる。
あぁ〜〜〜子孫に綺麗な地球を残したいよぅ、とため息が出るような作品だった。
以上です!
実はこの他にも一冊読んだフェミニズム系の本があったんだけど、ちょっとそれは内容があまりにも…だったので紹介しないでおきます。
フェミニズム系の本って今までジェンダー系の本と合わせて何冊か読んでるんだけど、「確かにこれおかしいわ!」とか「現代も全然男女平等じゃないわ!」と気づかされる経験が多くて勉強になるわ〜と思ってた。
ただ今回読んだ本は、交際相手の”女性を見下している様子”の描写として出てきた性癖の部分みたいなものが超気持ち悪くて不快さがすごかったのと、正直私には著者の方に共感できなかった。
上野千鶴子さんと清田隆之さんが帯にコメントを寄せてたのだけれど、ちょっとこれは私にはNGでしたね〜。
でも一応リンクは載せておこうかな。これです。
今回はこのあたりにしておきます!
アウトプットの一貫として今後また気が向いたらおすすめ本紹介していこうと思います。
最後まで読んでくださった方がいらっしゃったらありがとうございました…!