エコ

私が服を選ぶ時に考えること。サスティナブルファッションって?

ここ数年、私が考えていることのアウトプット。
プチプラ服を毎年買う暮らしは、どこか見えないところに悪影響を及ぼしていないかな…?

そういう服の選び方は、もうお終いにすべき時代かもしれません。

アパレル業界における問題点

労働問題

店頭に並ぶ1枚数百円のTシャツをあなたが購入したとして、その商品があなたの手に渡るまでの背景を想像したことはありますか?

「私が作りました!」という人が店頭に立っていれば別ですが、普段私たちの生活の中で思いを馳せる機会は多分ないのではないかと思います。

商品が作られて私たちが購入するまでの流れをサプライチェーンと言いますが、運送など様々な人の手を渡り、その度に中間コストが発生しています。

その内訳を簡単に書くと、調達→製造→物流→販売→消費者が購入
詳細は環境省のこちらのページでも見られます。

関わる人たち全員のお給料となるのが、私たち消費者が支払ったお金です。誰かの消費は誰かの所得。
その当たり前の循環を前提としたとき、安価な売値が付いている商品に疑問が生まれませんか…?

つまり、私が問いかけたいのはこれです。

私たち消費者が安い値段で商品を購入できる時、 その製造に関わる人たちはどのような労働環境下で どのような報酬を得られているのでしょうか。

果たして、適正な環境下で適正な対価を支払われているのでしょうか。

2013年4月にバングラデシュの縫製工場で発生し、死者1000人以上、負傷者2500人以上を出した大惨事を耳にしたことがあるかもしれません。

過剰在庫、大量廃棄、賃金の低い発展途上国での製造…

「ラナ・プラザの悲劇」とも呼ばれるこの事故は、世界展開する欧米や日本のファストファッションが、バングラデシュの劣悪な労働環境や安価な労働力に依存して経営利益を上げている状況が浮き彫りとなった一件として注目されました。

普段何気なく手に取るような服の裏側にそんな犠牲があったなんて、思いもしないですよね。けど、縫製工場で働く人たちにももちろん生活があるわけで、そこをコストカットしていくべきではないはずです。

フェアトレードを押し出しているショップで積極的に購入したいところです。
有名どころだと、Peaple Treeがありますね。

廃棄問題

ファストファッションが当たり前の選択肢になっている昨今、安く買ってワンシーズンで廃棄という行動をしてしまう人も多いと思います。

アパレルブランド側が毎年打ち出す 2021春夏・秋冬新作 というような売り方も、”毎年新しいものを買い換えないといけない”という圧になっていますよね。

2019年、日本では約35億着の服が供給されました。そして、その半数ほどが廃棄されているとも言われています。日本の人口がそもそも約1.2億人なので、作りすぎであることは明確ですよね。毎年全ての服を買い換える必要もないのに。

そして手放された服の中でも古着としての流通は一部で、手放された服の68%(毎日大型トラック約130台分)が焼却・埋め立てされています。

果たして、いつまでもその暮らしができるのでしょうか?

環境省では今年の3月に令和元年度のデータを基に、「およそ20年で日本全国のゴミの埋め立て場・最終処分場が満杯になり、ゴミを埋め立てできなくなる」という発表を出しています。

あとたった20年です。子供たちはもちろん、私たちだってまだまだ現役世代です。遠い未来の話ではないこの問題に向き合わなければなりません。

服は生産にも廃棄にも非常に大きな環境負荷がかかるため、必要なだけの服を長く大事にしていく必要があります。

水汚染・農薬問題

Tシャツ1着を作るのに消費される水は約2,700リットルがかかるという研究結果もある上、化学物質を含んだ水がそのまま川に流されるという状況も多く見られて問題になっています。

元々水資源が潤沢ではない地域で大量のコットンが栽培されることにより、水が枯渇してしまう事態も。

また、コットン栽培にはとんでもない量の農薬が使用されてしまっているのも事実です。

コットン栽培に携わる人の90%以上は途上国の小規模農家ですが、そこには多くの問題が横たわっています。コットンは害虫の被害を受けやすいことから、殺虫剤を初めとする農薬が多く使われます。世界の耕地面積に占めるコットン畑は2.4%に過ぎませんが、世界の殺虫剤の16%がコットン畑に撒かれています。直接口にする食料であれば、農作物の残留農薬に厳しい規制がありますが、加工により残留がほぼなくなるコットンは、農薬の使用量が問題視されにくいかもしれません。しかし、農薬の影響をもっとも受けるのは栽培に携わる農家の人びとです。農薬は呼吸や皮膚から体内に入ると吐き気や頭痛といった急性中毒やガンなどの疾患を引き起こすため、使用には十分な注意が必要です。しかし、途上国では防護マスクの使用や適切な使用量などが徹底されず、健康を損ねる人や最悪の場合は命を落とす人が後を絶ちません。文字が読めず説明書が理解できていなかったり適切な指導を受けられていない場合もありますが、貧しい農家の人びとは、たとえ必要性を理解していても防護用品を買う経済的余裕がなくあきらめざるを得ないのです。

People Tree

greenpeaceのこの投稿も写真付きで分かりやすくまとまっています。

じゃあどうするのがいいの?考えてみた

今持っている服をリペアする

まずは、新たに購入しなくても済む道を探してみませんか?

もしよれてしまったり、穴が開いてしまったりしていてもリペアすればまだ着られるかもしれません。

家で履いている靴下に穴が開いたらダーニングしてみたり、白いコットンTシャツが黄ばんできてしまったら、紅茶染めに挑戦してみても!

自分で繕ったり手間をかければ愛着も増してずっと大事にしたくなるかもしれません。完璧である必要はないので、楽しんでやれるといいですね。

リペアの方法はYouTubeにもたくさんあって、見ているとクリエイティブな気持ちが燃えてきますよ〜!

それは欲しいもの?必要なもの?

買う前にまずこれを自分にしっかり問いかけてみると、節約にも繋がっておすすめです。
その場で衝動買いせず、1週間考えてみるのも手。

とはいえ、個人的にはあんまりここに縛られすぎるとしんどくなってきてしまうので
自分の中で今回はオッケー!など落とし所を考えながら、楽しみつつ長く続けていきたいですね。

購入後、お直しして愛着を倍増させる

これは本当に、効果アリです!
ユニクロなんかではお直しサービスがあるので、利用している方も多いかもしれません。

駅ビルやショッピングモールに入っているお直し屋さんにお願いするのもいいですし、

細かい作業が好きな方は、ぜひ裾上げウエスト直しをご自身でチャレンジしてみてください。
YouTubeに優しい動画がたくさん上がってる時代なので、意外とハードルは低いです。

私自身お直しが必要なことが多く、手間をかけて自分だけの一着にすることで愛おしさは倍増。オーダーメイドのような気分になれます。

私服を制服化する

これはミニマリスト的思考でもあって、毎朝の「なに着よう」という決断が生活から消えるので本当に楽になる手段。もちろんクローゼットもすっきり。

スティーブ・ジョブズやROLANDもそうですが、服を固定して同じデザインのものを着る習慣をつけると、トレンドに流されることもなくなりますね。この人といえばこの服!というアイデンティティにも。

毎日同じ服=ダサい!とは私は全く思わなくて、逆に憧れています。

私もいずれそうしたい!白トップス×デニムで毎日過ごしたいなぁ。今はまだ多少のバリエーションを持っているくらいが心地良いですが、意外と3年以内になってるかもしれません。

古着を買う

新たに生産された服を買わなくても、世の中にはもう十分たくさんの服があります。

個人的には原宿・下北沢・藤沢の輸入古着屋さんを見に行ったり、急ぎの時はメルカリで国内ブランドの服を探すことも。

Zipper!を読んで育った古着ラバーなので、古着に対する抵抗は一切ありません〜。

余談ですが学生時代に輸入古着屋さんで購入したガーリーなスウェットの内側に油性ペンで英語の名前が書いてあって、「これは英語圏の女の子が着てたんだろうなぁ〜」と、巡り巡って私の元に来てくれたのが嬉しくなりました。

どこかの誰かが大事にしていた服を次に自分が大事にする繋がり、ストーリーを感じられて好きです。

ちなみに子供服はサイズアウトが早いので、9割メルカリで購入しています。本当に安く済むし、メルカリがある時代に生まれて良かった…!

生産背景が透明なお店で買う

とはいえ100%全て古着、というのも現実問題難しいですよね。

もしも新品の服を購入する場合、地球環境や労働環境に配慮した服の生産を行なっているお店なのか調べて買うことが大事だと思います。

それが、そう見せかけているだけのグリーンウォッシュでないかどうかは自分の目で判断するしかありませんが…それでも、何も考えていないお店よりはサイトに記載するなど何か行動を示しているお店で買うことには意味があるのではないでしょうか。

とにかく、そういう観点を持ってお店を選ぶということが大事だと思うのです。

天然素材の服を買う

コットン、リネン、竹…など、ナチュラルな素材は石油が原料の化学繊維と違い生産から廃棄までのCO2排出量も低い上、自然界に流出してしまっても残らず分解されます。

洗濯時にマイクロファイバーとして繊維状のプラスチックが海に流出することもありません。

植物性の素材には賛成ですが、私は動物性の素材は反対です。
リアルファーはもちろんですが、ウールは羊を殺すわけではなく刈るだけだから問題ない…と思っていましたがそれも間違いでした。

大量生産の現場で、動物が優しく扱われるなんてあり得なく、物として残酷な扱いを受けることが多いようです。

フェザーも本当に悲しい現実があるので私は買いません。もし今後必要になった際も中古を選びます。

ウールはこちらのページで、フェザーはこちらのページで現状の一部が分かるかと思います。目を背けたくなる内容なので、ご注意下さい。

オーガニックコットンの服を買う

オーガニックではない綿花の栽培には大量の殺虫剤・農薬を使用されます。
その悪影響は、栽培に関わる人々の健康にももちろん降りかかります。

オーガニックコットンの服を選ぶことは、環境問題にも人権問題にもコミットできるとても簡単な選択です。

先ほど通常のコットンTシャツを作る場合2,700Lの水が使用されると書きましたが、オーガニックコットンの場合は243Lほどまで減らすことができるそう。

ベーシックなシンプル服を揃える

ファストファッションとは逆の、トレンドに流されないタイムレスなスローファッションに切り替えると世の中の競争や比較から外れることができて気持ちも楽になります。

カタカナが多くなってしまいますが、つまりは周りに流されない自分のスタイルを質の良い服で続けていこうよ、ということです。

結局それは私の場合、シンプルな服ということになりました。

服の交換会をやる

趣味が合う友達と集まってやったらきっと楽しいですね!

燃えるゴミに出さない

買取してくれる古着屋さんに持っていく、メルカリに出す、フリマに参加する…

さいごに

近年、 SDGsという言葉も広まった影響で、「サスティナブルファッション」を掲げるファストファッションブランドも増えてきました。

素材がオーガニックコットンであったり、リサイクルされたものであったり。
「これはエコな商品ですよ〜!」と分かりやすい見せ方をして、大量に店頭に並んでいるようなもの。

もちろん環境配慮は私自身も重視する部分ではありますが、仮に「エコな素材」を使用した服であっても、その背景が不透明であったり誰かの犠牲に加担するものであったり大量廃棄しているならそれは持続可能(サスティナブル)とは言えないのではないでしょうか。

消費者である私たちが自分さえ良いのではなく、人として守るべき倫理観を重視した消費活動を行えば地球環境や社会問題の解決の一端を担うことができます。(エシカル消費)

今まで気軽に大量消費していた服について、考え直してみませんか?

最後まで読んでくださった方、ありがとうございます!

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